不動産投資で規模を拡大したいけれど、2棟目、3棟目がなかなか買えない。そんな悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。
実は、規模拡大には明確なメカニズムがあります。ポイントは、前回の記事で解説した「自己資本比率」をどうやって効率よく回復させていくか、という点にあります。
今回は、1億円の物件をモデルケースに、資産が積み上がるスピードについて具体的に解説します。
1. 1億円の物件を買うと「裏側」で何が起きるのか?
例えば、1億円の物件を以下の条件で購入したとします。
- 融資:フルローン
- 金利:2.5%
- 期間:35年
このとき、手元に残るキャッシュフローが月々15万円だとすると、年間で180万円の現金が貯まります。しかし、見るべきポイントはそこだけではありません。実は「元本の返済」という形で、着々とあなたの純資産は増えているのです。
この条件の場合、月々約20万円ずつ借金が減っていきます。つまり、年間で240万円分、あなたの「負債」が「資産」に置き換わっていることになります。
2. 「現金」と「返済」のダブル効果で自己資本を作る
ここで、1年間のトータルメリットを計算してみましょう。
- キャッシュフロー(手元の現金):180万円
- 元本返済(減った借金):240万円
- 合計:420万円
年間で420万円分、プラスの作用が働いていることになります。 これを5年間継続すると、合計で約2100万円。つまり、当初ゼロだった自己資本が、5年後には「2000万円超」まで積み上がった計算になります。
前回の記事で「自己資本比率20%(1億円に対して2000万円)」が次の物件を買うための安全ラインとお伝えしました。この5年という月日が、次の1億円を借りるための「切符」を作ってくれたのです。
3. 拡大スピードは加速度的に上がっていく
面白いのはここからです。 1棟目の購入から5年後、貯まった自己資金(と回復した与信)を使って2棟目を購入したとします。
- 1棟目のプラス:年420万円
- 2棟目のプラス:年420万円
- 合計:年840万円
すると、次の2000万円(3棟目のための自己資本)を貯めるのに必要な期間は、5年の半分、つまり約2.5年に短縮されます。
このように、物件が増えれば増えるほど、雪だるまを作る芯が大きくなるように、自己資本が積み上がるスピードは加速していくのです。
4. 売却(出口)で雪だるまを一気に大きくする
さらにスピードを上げるための「ブースト」が、物件の売却です。 数棟所有した中で、値上がりしている物件があれば売却を検討します。
売却によって得られるキャピタルゲイン(売却益)は、帳簿上の数字(簿価)と実際の売値とのギャップを、一気に現金として手元に残してくれます。これにより自己資本は爆発的に増え、次のステージの物件へと手が届くようになります。
まとめ:これは「雪だるまを転がすゲーム」である
不動産投資の規模拡大は、いかに効率よく雪だるまを転がしていくかというゲームのようなものです。
- キャッシュフローと元本返済で「芯」を作る
- 貯まった自己資本を再投資して「回転数」を上げる
- 出口戦略(売却)で「一気に大きく」する
この仕組みを理解し、自己資本比率をコントロールしながら買い進めることができれば、サラリーマンであっても着実に、かつスピーディーに規模を拡大していくことが可能です。
