物価高や増税が続く中、家賃収入は変わらないのに管理費や修繕費などの「持ち出し」ばかりが増え、頭を悩ませているオーナー様も多いのではないでしょうか。

現在の市場で家賃を上げられる物件には、明確な条件があります。

  • 23区内など、圧倒的に立地が良い
  • リノベーションで物件価値を向上させている
  • 間取りに高い希少性がある

逆に言えば、郊外の不人気エリアでバリューアップもしていない物件の値上げは、現実的に極めて困難です。

事例1:低価格帯物件での「4,000円」の壁

当社で管理している、ある郊外の物件の話です。相場は23,000円ですが、過去の空室対策として19,000円でリーシングした経緯がありました。今回、オーナー様より「相場通りに戻したい」と要望があり、4,000円の値上げ交渉を行いました。

しかし、結果は**「激烈な抵抗」**でした。 家賃19,000円の層に入居される方は、年収200万円未満の方も少なくありません。彼らにとっての4,000円は、我々の想像以上に重いのです。「死ねというのか」という言葉が出るほどの反発を受け、結局「退去されても次の募集が難しい」という判断から、据え置きを選ばざるを得ませんでした。

事例2:都内好立地物件での交渉と「強気」の判断

一方、都内の好立地・広めのお部屋でも交渉を行いました。相場よりかなり安いため、本来は10%上げたいところを、合意を得やすくするためにあえて「5%」で打診したのです。

ところが、ここでも予想外の抵抗にあいました。属性の良い入居者様方でしたが、複数名に囲まれて責め立てられ、身の危険を感じて中座するほどの事態になったのです。

ここまで関係が悪化すると、良好な賃貸関係を維持するのは困難です。当社としては、中途半端な妥協はやめ、当初の予定通り10%の改定を請求することにしました。応じられない場合は法的手続きも辞さない構えです。このように**「退去されてもすぐに次が決まる(むしろ退去後の募集条件を上げられる)」**物件であれば、オーナー様は強気に出ることができます。

結論:インフレの波を一人で背負わないでください

入居者様の事情を考えると、値上げを心苦しく思うオーナー様もいらっしゃるでしょう。しかし、世界的なインフレの波を、オーナー様お一人が犠牲になって支える必要はありません。その優しさで収支が破綻しては元も子もないからです。

肝心なのは、物件を見極める目を持つことです。

  • 上げられる物件は、毅然と上げる。
  • 上げることが難しい物件は、現状維持で安定稼働を優先する。

この「選択と集中」こそが、これからの賃貸経営には不可欠です。

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