不動産投資を適切に進めていくと、毎月のキャッシュフローが安定して生まれるようになります。すると、多くの投資家が「次の物件も欲しい」と感じ始めます。しかし、物件を買い続けるためには自己資金が必要で、自己資金を使わずに購入を重ねると債務超過となり、再融資の道を自ら閉ざしてしまうことになります。
では、規模を拡大している投資家はどのように資金を回しているのでしょうか。その答えの一つが「適切なタイミングでの売却」です。物件を保有している間、毎月の返済によって借入金は少しずつ減っていきます。この返済による元本の減少は、実質的にキャッシュが積み上がっているのと同じ効果を持ちます。しかし、この増加分は決算書には現れず、いわゆる「含み益」として内部に眠ったままです。
含み益のままでは銀行評価に反映されません。そこで売却を行うことで、含み益を損益計算書と貸借対照表に表面化させることができます。売却益が計上されれば損益計算書上の利益が増え、銀行からの評価が向上します。また、売却によって現金が増えるため、次の物件購入の自己資金として活用できます。
このように、不動産投資の拡大フェーズでは「買う→育てる→売る→また買う」という循環をつくることが重要です。ただし、売買をあまりにも頻繁に繰り返すと宅建業法上の問題が生じる可能性があるため注意が必要です。また、含み益を売却によって顕在化させると利益が出る一方で、当然ながら税金も発生します。戦略によっては、あえて売却せず含み益のまま保有し続ける選択が合理的な場合もあります。
不動産投資は「買って終わり」ではなく、資産をどのように動かし、どのタイミングで利益を確定させるかが拡大の鍵となります。長期的な視点でポートフォリオを設計し、売却も一つの戦略として上手に取り入れることが、投資家としての成長につながっていきます。
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