イノベーター理論という考えがあります。

新しいサービスや商品の広まる過程を概念的に表したものですが、これが不動産投資と良く合致するのです。

  1. イノベーター(Innovators):革新者
  2. アーリーアダプター(Early Adopters):初期採用層
  3. アーリーマジョリティ(Early Majority):前期追随層
  4. レイトマジョリティ(Late Majority):後期追随層
  5. ラガード(Laggards):遅滞層

こちらがイノベーター理論の5つのグループですが、不動産投資でも、どこかの会社が革新的な投資方法や融資を開発します。

ここ最近のサラリーマンにおける不動産投資については、

1.イノベーター

 このころは都市銀行でオーバーローンが出ていました。金利も低く、融資期間も長くて、いくらでもほしいだけ物件が購入できるおいしい時期でした。2006~2010年くらいです

2.アーリーアダプター

 私はこの時期に不動産投資に参入しました。都市銀行による融資が閉まり、もう不動産投資は終わったと言われていました。SOS銀行あたりが主力です。銀行の金利は高いですが、横浜で利回り14%、豊島区大塚で利回り9%位の物件がゴロゴロしていましたっけ。このころは都市銀行の融資が厳しかったので、買い手市場でした。鬼の指値なんて言葉もこのころはその通りでした。2011年から2013年くらいです

3.アーリーマジョリティ

 このころになると、例のS銀行と悪徳不動産業者が手を組んで悪さをやりだしたころで、急に物件が枯渇してきました。RCのレジはなかなか品薄になり、指値をしようとしてもアホみたいな高値でS銀行関連の投資家に買われていきました。もちろん業者の利益がノリノリの金額で。こんな値段で買った人は後でひどい目にあうのではないかと心配になりました。2014年~2016年です。

私は地方RCに見切りをつけ、23区内RC物件や再建築不可物件または築古土地値物件に活路を見出しました。結果、現在の基盤を作ることができました。

4.レイトマジョリティ

 さらにS銀行がノリノリになり、RCや重量鉄骨だけでなく、例のパンプキンに手を出してきます。もう終わりに向けてみんなが全力疾走をしているような恐ろしい光景でした。端から見ていれば、これから何か恐ろしいことが起きるのではないか、自分にも火の粉がかかってくるのではないかと感じていました。2017~2018年です

5.ラガード

 そしてS銀行問題が勃発します。ここで悪さを働いた不動産会社の一部は会社をたたみ(〇戸大家さんなんていうのもいましたっけ)、名を変え、人を変え、そしてある人は決して表に出ない様な立ち位置でワンルームマンションをフィールドに悪さをすることを選んだようです。2019年~現在 です。

賢者は歴史から学び、愚者は自分の経験を貴ぶ という言葉がありますが、今回の件も長年投資の世界を見てきた者にとっては起こるべくして起きた事象です。

大事なのは何か新しいことを始めようとする場合には、自分の経験で選択してしまうのではなく、歴史的な経緯を学んだうえで(特にS銀行の記事などを詳しく研究しておけば)一歩踏み出せば、きっと傷も最小限で抑えることができたのではないかと思うのです。

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